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【特集】<特集> 【 中小型株の投資シーズン到来 】


―1月効果に期待、好業績株への投資―

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大和証券 投資戦略部
細井 秀司


●個人がメインプレイヤーの新興市場

 年末が近づき、中小型株に関心が集まりやすいタイミングに入ってきた。2001年以降、日経平均と日経ジャスダック平均(JQ平均)の月別の騰落率を平均してみると、1月にJQ平均が日経平均を大きく上回っていることが分かる。俗に『1月効果』と呼ばれる現象である。

 これに関しては諸説あるが、(1)年末年始に個人投資家がまとまった休暇を取ることで、銘柄研究などの時間を得られるため、上昇期待が高い中小型株を多く含む新興市場への投資が活発になる、(2)年始には時期的に新規上場がストップするため、公募増資に伴う新株供給が途絶え、既存銘柄への投資活動が活性化する、等が考えられる。

 海外投資家の資金が全体の6割以上を占め、個人の売買代金比率が2~3割程度である2市場1・2部と異なり、東証ジャスダックや東証マザーズと言った新興市場では、個人は売買代金比率の70%程度を占めるメインプレイヤーである。こうした側面も、1月効果の背景にあると見られる。

 また、東証1部との売買代金比率にも1月効果らしき痕跡が見られる。1月は周辺の月に比べて、新興市場への売買に多くの資金が投じられる傾向にあると言える。

 資金が増えることは、必ずしも買いや相場の上昇を意味するものではない。しかし、1月に関しては、資金の増加が好パフォーマンスに繋がっていると考えるのが自然と思われる。

●好業績銘柄群、業種は幅広い

 以下に東証2部、東証マザーズ、東証ジャスダック市場に上場する銘柄の中から、好業績銘柄を選び出した。

 新興市場といっても、今期予想のPERが10倍台と、比較的低位に置かれ、今期来期の連続増益が見込まれる銘柄が少なくない。

 選んだ銘柄の業種を見ても、成長株に取り上げられやすいネット系だけに留まらず、電子部品や機構部品メーカーなどが含まれている。投資の参考とされたい。

◆「中小型株 好業績銘柄群」◆

日立機材 <9922> [東証2]
 建材機器製造

富フロンテク <6945> [東証2]
 ATM基幹部品製造など

UT <2146> [JQ]
 半導体、液晶の製造請負

フルヤ金属 <7826> [JQ]
 工業用貴金属加工

イリソ電子 <6908> [JQ]
 コネクター製造

メッセージ <2400> [JQ]
 有料老人ホーム運営

ミクシィ <2121> [東証M]
 スマホゲーム

国際計測 <7722> [JQ]
 タイヤ向けバランス測定装置など

Dガレージ <4819> [JQ]
 ネットビジネス育成

ボヤージュ <3688> [東証M]
 インターネットポイントサイト運営

ライドオンE <6082> [東証M]
 すし、釜飯などの宅配

C&R <4763> [JQ]
 テレビ番組などの制作代行

シュッピン <3179> [東証M]
 中古品のネット販売

そーせい <4565> [東証M]
 創薬ベンチャー

エニグモ <3665> [東証M]
 個人輸入代行、Web展開

ハーモニック <6324> [JQ]
 精密減速機ハーモニックドライブの製造

朝日インテク <7747> [東証2]
 医療用器具製造

(「株探」編集部)

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