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【市況】国内株式市場見通し:衆院選投開票、メジャーSQ、IPOラッシュ


■2007年7月以来の17900円を回復

先週の日経平均は上昇。連日で年初来高値を更新しており、先週末から6営業日続伸となるなか2007年7月以来の17900円を回復した。名実ともに師走相場入りとなった先週は、週初から強い値動きをみせている。原油先物相場の下落のほか、7-9月期の企業による国内の設備投資額が前年同期比5.5%増だったことが好感された。また、為替市場では1ドル119円台に乗せてきたことも先高期待が高まったようだ。さらに、幻だった11月SQ値(17549.60円)をクリアしたことで、一気に上へのバイアスが強まったほか、GPIFなど年金資金の流入との観測もあった。

1日の米国市場は、感謝祭の小売売上高が前年比11%減となったことが嫌気され、小売関連株に売りが広がった。また、米格付け会社ムーディーズは、日本国債の格付けを「Aa3」から「A1」に1段階引き下げたことを受けて、幅広い銘柄に利益確定の売りが先行。しかし、これら要因も日銀によるETF買入れが下支えとなるなか、悪材料には反応を示さない状況に。

もっとも、日銀によるETF買入れやGPIFによる買い観測の中、物色は自動車やハイテク等の主力処が中心。一方で新興市場の中小型株などには利益確定の流れが次第に強まっており、日経平均の上昇の割には、手掛けづらさも窺えた。

■週末には衆院選の投開票

今週は5日の米雇用統計の結果を受けてのスタートとなるが、非農業部門の雇用者数が32万1000人増と、予想(23万人増)を大きく上回り、2012年1月以来約3年ぶりの大幅な伸びとなった。これを受けて円相場は1ドル121円台半ばまでドル高・円安の流れをみている。また、日経平均は、先週末のナイトセッションで節目の18000円に乗せていたが、雇用統計の結果を受けて一時18110円まで上げ幅を拡大させている。出来ればザラ場での18000円回復をみたかったが、結果的には週初の段階でこれにサヤ寄せする格好でのギャップ・アップで18000円に乗せることになろう。ただ、ここにきてややテクニカル面での過熱警戒等から慎重姿勢も増えてきており、買い一巡後は強弱感が対立しやすい状況にもなりやすい。

週末には衆院選の投開票を迎える。日経新聞社が行った世論調査では、衆院定数475議席のうち、自民党は300議席をうかがう勢いと伝えている。与党優勢は想定されているが、安倍長期政権への思惑から政策関連への物色に向かわせよう。週を通じて議席数の予想などが頻繁に出てくると考えられ、これが市場の方向性に影響を与えることになりそうだ。

■週末にメジャーSQ、IPO祭りがスタート

そのほか、週末には先物・オプションSQ(特別清算指数算出)を迎える。これが通過することで、例年であれば翌週からは海外勢はクリスマス休暇に入るため、一気に商いが細りやすい。ただし、選挙の結果が予想通りとなれば、長期政権期待などからの先高感が強まることで、参加者は減らない可能性はありそう。そのほか、今週からIPOが本格化する。月内28社の上場となるIPO祭りの開催といったムードの中、今年1番のパフォーマンスを求め思惑的な動きも出てくることになるだろう。また、足元で中小型株の弱さが目立っていたが、IPO参加に備えた換金売りもあったとみられる。IPO銘柄が次々と好パフォーマンスをみせてくるようだと、これが換金売りに押されていた銘柄等へ還流することにもなり、物色は次第に個人主体の中小型株にシフトしてくることになりそうだ。

なお、経済指標では8日に7-9月期国内総生産(GDP・改定値)が発表される。予想中央値は、前期比年率0.4%減と、速報値の1.6%減から上方修正が予想されている。11月の景気ウォッチャー調査(8日)、10-12月期の法人企業景気予測調査(10日)、10月の機械受注(11日)など。海外では11月の中国貿易収支(8日)、11月の中国消費者物価指数(CPI)、11月の米小売売上高(11日)、11月の中国小売売上高(12日)、11月の中国工業利益(12日)、11月の米ミシガン大消費者マインド指数(12日)、11月の米生産者物価指数(12日)などが予定されている。

《TN》

 提供:フィスコ

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