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【市況】【今週の早わかり株式市況】 16年ぶりの週間上げ幅、追加金融緩和で週末急動意


 今週の株式市場は、前週に世界景気の減速懸念後退から急反発した流れに、前週末の米株式相場が上昇したことが追い風となり、続伸してスタート。その後も米欧株高と円安基調を追い風に、企業の好調な決算も下支えとなり、商いを伴って上値を追う展開が続いた。
 週末31日も堅調に推移する中、後場に日銀が追加金融緩和を決定したと伝わり、不動産など脱デフレ関連を中心に買いが殺到し、急動意。31日の日経平均は755円高と急伸し、9月25日に付けた年初来高値を一気に更新した。1日の上げ幅としては08年10月30日(817円)以来、6年ぶりの大きさとなった。
 これを受け、円相場も円売り・ドル買いが膨らみ、一時1ドル=110円台まで円安が進んだ。

 日経平均は前週比1122円(7.34%)高の1万6413円と前週の759円高に続き2週連続の大幅高となり、07年11月2日以来、7年ぶりの高値水準で取引を終えた。1週間の上げ幅としては13年11月第3週の1079円高を超え、1998年7月第1週(1301円)以来16年ぶりの大きさとなった。上げ率は13年11月第3週(7.66%)以来の大きさだった。
 週間の振れ幅は1270円と前週の615円から急拡大した。

 来週はシカゴ日経平均先物が1万7000円台に乗せており、大幅高でスタートとなりそうだ。ただ、ここ2週間で日経平均が1881円も上げているだけに、利益確定売りに押され一時的に調整する場面も想定されるが、ピークを迎える中間決算発表が下支えになるとみられる。また、デフレ脱却への期待が海外投資家にも広がれば、上値を追う展開になる可能性もある。

◆マーケット・トレンド(10月27日~10月31日)

【↑】 10月27日(月)―― 米株高・企業業績への期待感で続伸
 日経平均 15388.72( +97.08)  売買高18億2038万株 売買代金 1兆6628億円

【↓】 10月28日(火)―― FOMCを睨み様子見気分、3日ぶりに反落
 日経平均 15329.91( -58.81)  売買高18億7442万株 売買代金 1兆6956億円

【↑】 10月29日(水)―― 米株高、鉱工業生産の上振れを好感、3週間ぶり1万5500円台
 日経平均 15553.91( +224.00)  売買高21億8717万株 売買代金 2兆1006億円

【↑】 10月30日(木)―― 円安、安倍首相発言を好感し続伸、1万5600円台回復
 日経平均 15658.20( +104.29)  売買高27億9585万株 売買代金 2兆7740億円

【↑】 10月31日(金)―― 7年ぶり高値水準、日銀の予想外の追加緩和で買いが膨らむ
 日経平均 16413.76( +755.56)  売買高40億1278万株 売買代金 4兆1982億円

◆セクター・トレンド(10月27日~10月31日)

(1)2週連続で全33業種が上昇
(2)週末に菱地所 <8802> など不動産、オリックス <8591> など他金融が棒上げ
(3)野村 <8604> など証券、東京海上 <8766> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行株も急動意
(4)新日鉄住金 <5401> 、JFE <5411> など鉄鋼株は大幅続伸
(5)東電 <9501> 、東ガス <9531> など電力・ガス株は連騰
(6)ソフトバンク <9984> など情報・通信、セブン&アイ <3382> など小売り株も高い
(7)円急落でトヨタ <7203> など自動車、日立 <6501> など電機といった輸出株にも買い

(「株探」編集部)

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