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【市況】為替週間見通し:米QE3終了観測と日本の追加緩和協議観測


■ドル・円上昇、日米金融政策の乖離観測

先週のドル・円は強含み、106円25銭から108円35銭まで上昇。10月28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和第3弾(QE3)が終了する可能性が高まったこと、31日の日本銀行金融政策決定会合で追加緩和が協議されるのではないかとの期待感が高まったことで、ドルは106円25銭から108円35銭まで上昇した。

カナダ連邦議事堂で発生した銃乱射事件やニューヨーク市の医師がエボラ出血熱陽性と診断されたことでリスク回避の円買いが強まる場面があったが、NYダウの上昇を意識してドルは108円台前半でこの週の取引を終えた。先週の取引レンジは、106円25銭から108円35銭となった。

■日米の金融政策とテロ及びエボラ出血熱に要警戒

今週のドル・円は、28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)での量的緩和第3弾(QE3)終了観測、31日の日本銀行金融政策決定会合での追加緩和協議観測から、ドルは強含みに推移すると予想する。

リスク要因は、イスラム国を空爆している有志連合国でのテロの可能性、エボラ出血熱の感染拡大懸念。しかしながら、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額への期待は広がっており、ドルの下値は限定的との見方が依然として多いようだ。

■連邦公開市場委員会(FOMC)(28-29日)

連邦公開市場委員会(FOMC)では、150億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)が決定され、量的緩和第3弾(QE3)が終了することが見込まれている。注目材料は、フォワードガイダンス(将来の金融政策指針)としての利上げまでの「相当の期間(considerable time)」が削除されるか否か、労動市場への警戒感が緩和されるか否かとなる。

■米国7-9月期国内総生産(GDP)(30日)

米国の7-9月期の国内総生産(GDP)は、前期比年率+3.0%(最低予想:+2.6%、最高予想:+4.0%)と予想されており、4-6月期の+4.6%からの低下が見込まれている。イエレンFRB議長は、「米成長率は3%程度の勢いでインフレ率は目標にいずれ回帰する」と楽観的な見解を示しており、ネガティブ・サプライズに警戒することになる。

■日本銀行金融政策決定会合(31日)

31日の日本銀行金融政策決定会合では、「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)において、インフレの2%の目標に到達するために更なる緩和策を採用する必要性が明記されるとの観測が高まっており、円売り材料となっている。

主な発表予定は、27日(月):(米)9月中古住宅販売仮契約、28日(火):(米)8月S&Pケース・シラー住宅価格指数、29日(水):(日)9月鉱工業生産指数、31日(金):(日)9月失業率、(日)日銀金融政策決定会合、(米)9月個人消費支出、(米)9月PCEコア指数

予想レンジ:105円00銭-110円00銭

《TN》

 提供:フィスコ

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