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【市況】19日の中国本土市場概況:3日続落で約1カぶり安値、創業板の大幅安を受けて下げ幅拡大


19日の中国本土市場は大幅に3営業日続落。上海総合指数は前日比31.78ポイント安(-1.55%)の2023.73、深セン成分指数は同117.08ポイント安(-1.60%)の7180.32で取引を終えた。

上海総合指数は終値で5月22日以来、約1カ月ぶりの安値を付けた。朝方こそ買いが優勢となったものの、ほどなく売りに押される展開に。後場に入ると、下げ足を加速させた。引き続き新規株式公開(IPO)の再開による流動性の低下が警戒されたほか、不動産市場の先行き懸念も強まった。また、ベンチャー企業向け株式市場「創業板」が後場に下値を切り下げ、3%を超える大幅安となったことで投資家心理が一気に冷え込んだ。

IPOの再開を巡っては、前日18日に4社が公募を行った。地元メディアによれば、申し込み額は最低でも3000億元(約4兆9200億円)に上るとみられており、流通市場の流動性低下や株式需給の悪化が懸念されている。また、国家統計局が前日発表した5月の住宅市場統計では、新築住宅の価格が約2年ぶりに前月比で低下した。不動産市場の先行き不透明感は強く、一段の価格下落も警戒されている。

セクター別では、大型の銀行株に売りが継続し、指数の下げを主導した。前日には、金融市場で一部の短期金利が大きく上昇。四半期末要因やIPOの再開が影響しているもよう。月末に向けて流動性がやや引き締まる可能性も指摘されている。半面、高速鉄道関連として、鉄道車両部品メーカーの一角が上昇した。中国がすでに数十カ国と「高速鉄道売り込み」の商談を行っているとの報道が材料視された。

《KO》

 提供:フィスコ

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