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【経済】4Kテレビが試験放送開始


2日、現行のフルハイビジョン(HD)に比べて4倍の解像度をもつきめ細かな高画質を楽しめる「4K」テレビの試験放送が始まる。
試験放送はNHKや民放キー局、スカパーJSATが共同で、CS(通信衛星)デジタル放送のチャンネルを使い、音楽やドキュメンタリー、スポーツ中継などの番組を毎日午後1~7時の6時間程度放送する。
家電メーカー各社は4Kテレビの新製品を相次いで投入しており、4月の消費税増税後も売り上げは好調のようだ。そのため、家電量販店などは売り場を拡大しているが、視聴するには4K対応テレビの他に、放送を受信するチューナー、対応するパラボラアンテナ、専用ケーブルなどの機器、スカパーの視聴契約が必要となる。家庭で見るには、シャープ製のチューナー内蔵レコーダーが発売される25日が最短となる。4Kで国内シェア7割を誇るソニーは秋にチューナー(市場想定価格12万円前後)を発売する予定だ。しかし、4K放送は衛星が異なる別のCS放送やBSデジタル放送などでも検討され、受信に必要なチューナーがそれぞれ異なるため、他のメーカーの対応は未定という。
総務省は、サッカーW杯ブラジル大会を試験放送の目玉番組としたい考えで調整を進めているが、1次リーグの日本戦は日本時間の15、20、25日の3日間のため、家庭で観戦するのは難しそうだ。ただ、家電量販店などにはチューナーが先行入荷されるため、もし放送されれば、店頭の4Kテレビの前で観戦する人が増えることだろう。
本放送は2016年ごろを目指している。政府も2020年の東京五輪に向け4K放送を推進していくことを強調しているが、どこまで4Kテレビが普及するか未知の状態で多額の設備投資などの費用がかかるため、現時点で地上波での放送は想定されていない。一方、4Kテレビは高額なため、普及するためには4Kでしか見ることのできない魅力的な番組の提供が欠かせない要件となり、ジレンマに陥っている。
2016年には本放送に加え、より高画質の「8K」放送の試験放送も計画するというが、4Kへの対応も十分にできていない状況で8Kの試験を行うのではなく、4K放送を本格的に始動することができてからでもいいのではないだろうか。
家庭で4K・8K放送を満喫できるようになるのはもう少し先のことになりそうだ。

《YU》

 提供:フィスコ

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