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【経済】中国:人民元相場が大幅に下落 先高感に変化、人民銀が誘導との見方も


20日の上海外国為替市場では人民元相場が対米ドルで大幅に下落し、1米ドル=6.0834元で終了。約2カぶりの低水準を記録した。香港のオフショア人民元相場も大幅に下落し、2年ぶりの下げとなる場面もあった。中国人民銀行(中央銀行)がこの日の取引基準値を元安方向に設定したことに加え、中国の景況感指数の悪化が響いたとみられている。

中国経済の先行き不透明感が強まっているほか、米国の量的緩和縮小方針を受け、人民元の先高感に変化が出始めている。香港紙「明報」(21日付)によれば、上海のオンショア人民元は昨年累計で3%近く上昇したが、今週に入ってからは0.3%下落。これは14カ月ぶりの大きな下げだという。

ただ、直近ではさえない経済指標の発表が続いているものの、中国経済のファンダメンタルズに大きな変化は見られないとし、足元の元安は人民銀による誘導の影響が大きいとみる向きもある。市場の過度な元高期待を抑えることで、ホットマネーの流入を防ぐ狙いがあると指摘されている。

また、元安誘導を行って適切な為替水準を維持することで、今後の人民元改革をスムーズに進める考えとの見方もある。交通銀行のトレーダーは、年内にも人民元の1日当たりの許容変動幅が上下2%(現行は対米ドルで上下1%)まで拡大されると予測している。

《NT》

 提供:フィスコ

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