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【経済】【中国から探る日本株】地方の小売市場にまだまだ開拓余地、ファーストリテは30%成長を予想


国内小売市場の飽和に直面する日本企業にとって、中国を筆頭とするアジアは引き続き魅力的な市場となる見通しだ。カジュアル衣料チェーン「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング<9983>は、グレーターチャイナ(中国、香港、台湾)での売上高が向こう5-10年で日本を上回り、同社にとって最大の市場になるとの見通しを示した。引き続き30%超の売り上げ増加ペースを維持するとみている。

ファーストリテイリング・グレーターチャイナの潘寧最高経営責任者(CEO)が19日、香港で語った。地方の消費市場には依然として大きな成長余地があり、その開拓を進めることで、グループ全体の成長につなげることができるとの認識を示した。

潘CEOによれば、中国での店舗数は現時点で250店超に上るが、うち約半数が北京、上海、広州、深センの4都市に置かれている。中国にはこのほか、661カ所の地級市と県級市(※)があり、このうちユニクロが進出しているのは50カ所にとどまっているという。

一方で、生産拠点については、人件費などの上昇が進む中で、中国から東南アジアへと移転していく方針をあらためて示した。潘CEOによれば、現在は70-80社のサプライヤーから年間7億点の商品を調達しており、うち7割を中国製品が占めている。



※地級市、県級市:中国の行政区分は基本的に「省級」「地級」「県級」「郷級」という4層から成る。直轄市や省都、経済特区などを除く中堅規模の地方都市は「地級市」、小規模の地方都市は「県級」に区分される。

《NT》

 提供:フィスコ

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