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【経済】国内最大級の食品商談会「地方銀行フードセレクション」、地方企業の再生に寄与


■10,000名を超える食品バイヤーが来場

2013年10月21日(月)~22日(火)に東京ビックサイトにて、国内最大級の食の商談会となる「地方銀行フードセレクション2013」が開催された(会場の様子のピクチャ参照)。

「地方銀行フードセレクション」は、「全国の有力地方銀行(※1)が自信を持っておすすめする地方の『安心・安全・おいしい』食材を紹介する商談会」「地方に埋もれる美味しい食材を紹介し、全国に販路を拡大するチャンスをつくる場」というコンセプトで、2006年にスタートした。

本商談会は近年の『食』への関心の高まりと、日本食糧新聞ほか業界団体の協力(※2)で開催が告知された首都圏の食品バイヤーを、地方の中小企業に紹介できるという仕組がビジネスマッチングを推進する地方銀行のニーズと合致し、急速に参加行を増やしてきた。

当初は主催銀行数5行、出展社数102社、1日開催で約2,000名の来場者数であったが、地方銀行、官公庁等や各都道府県の後押し(※3)、主催者である地方銀行推薦の優良な出展社数の増加、その安心感を背景とした来場バイヤーの増加というポジティブサイクルが続いている。

2011年からはJETROの支援を受けて海外バイヤーの参加が増えていることもあり、本年は出展規模で全国640社、来場者数は前年に引き続き、10,000名超となった。


■地方企業の成長は地方銀行の成長に直結

2013年のオープニングには主催銀行38行の役員(うち23行からは頭取、社長)、農林水産省 皆川芳嗣事務次官、藤本潔関東農政局長、経済産業省経済産業政策局地域経済産業グループ 加藤洋一地域経済産業審議官、金融庁監督局 小野尚参事官ほかが出席。今回の代表幹事行は北陸銀行であり、同行の庵頭取の挨拶を筆頭に、オープニングセレモニー(ピクチャ参照)が執り行われた。トップの出席率の高さから、地方銀行の注力度合いも非常に高いことがうかがえる。

北陸銀行庵頭取(ピクチャ参照)が述べるように、地方企業の再生や成長は地方銀行の成長に直結する。銀行の持つ顧客基盤を生かしたビジネスマッチングは、販路拡大や協業につながり、顧客サポートの一環として有効だ。ほくほくフィナンシャルグループを形成している北陸銀行は、同グループ傘下の北海道銀行と同様の取り組みを行っている他、大垣共立銀行ともビジネスマッチング分野で親密である。また、八十二銀行とは北陸新幹線の開通に向けて連携を取っている。北陸銀行はアジア進出も積極化しており、同地域におけるビジネスマッチングも手がけている。

このように、地方ごとの地道なマッチングイベントが重要なことは論を待たないが、「地方銀行フードセレクション」では全国の地方銀行が主催者で、全国の食品会社と首都圏のバイヤーが一堂に会することから、その意義は更に高い。また、『食』の分野に特化することで、食品分野に精通したバイヤーと地方の食品業者が精度の高い商談を多数成立させる土壌を築いていることも注目すべき点であろう。


■2013年の特色と今後の課題

今年の地方銀行フードセレクションでは日本貿易振興機構(ジェトロ)や日本酒類販売を通じて、アメリカ、イギリス、中国をはじめとする海外のバイヤー総勢32名が来場した。その中でも、初めてインド人バイヤー6名を招致。人口12億人の巨大マーケットに日本の食を紹介する機会を提供した。インド向け輸出額は現在わずか8億円で、潜在的な購買力は日本の比ではない。今回の出展社の中でもインドの富裕層向けに輸出を検討する企業も出てきており、今後は人口減で縮小する日本マーケットの受け皿としてどのように海外進出を支援していくかが本商談会の大きな課題となる。


※1主催銀行
青森銀行<8342>、秋田銀行<8343>、荘内銀行<8713>、山形銀行<8344>、岩手銀行<8345>、七十七銀行<8341>、東邦銀行<8346>、群馬銀行<8334>、足利銀行、常陽銀行<8333>、武蔵野銀行<8336>、千葉銀行<8331>、横浜銀行<8332>、第四銀行<8324>、山梨中央銀行<8360>、八十二銀行<8359>、北陸銀行<8377>、福井銀行<8362>、 静岡銀行<8355>、大垣共立銀行<8361>、三重銀行<8374>、三重銀行<8374>、京都銀行<6369>、近畿大阪銀行<8308>、紀陽銀行<8370>、鳥取銀行<8383>、中国銀行<8382>、山口銀行<8418>、百十四銀行<8386>、伊予銀行<8385>、西日本シティ銀行<8327>、筑邦銀行<8398>、北九州銀行<8418>、佐賀銀行<8395>、十八銀行<8396>、肥後銀行<8394>、宮崎銀行<8393>、琉球銀行<8399>

※2業界団体
日本食糧新聞社、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会、一般社団法人日本食鳥協会、製粉協会、全国ピーナツバター工業協同組合、一般社団法人日本果汁協会 全日本菓子協会、一般社団法人日本食肉加工協会、日本ミネラルウォーター協会、全国調理食品工業協同組合、全国食酢協会中央会、一般社団法人日本弁当サービス協会、一般社団法人日本惣菜協会、全国製麺協同組合連合会、 公益社団法人日本給食サービス協会、公益社団法人氷温協会、一般財団法人流通システム開発センター、 一般社団法人日本ショッピングセンター協会、日本香料協会、全国総菜宅配協会、日本チェーンストア協会、公益社団法人日本通信販売協会、公益社団法人日本缶詰協会、一般社団法人日本加工食品卸協会 、公益社団法人日本炊飯協会、社団法人国際観光日本レストラン協会、全国給食事業協同組合連合会、全国マヨネーズ・ドレッシング類協会、日本ハム・ソーセージ工業協同組合、一般社団法人日本パン工業会、社団法人全日本コーヒー協会、全日本はちみつ協同組合、一般社団法人日本アイスクリーム協会 日本香料工業会、日本製餡協同組合連合会、協同組合日本製パン製菓機械工業会、日本豆乳協会、日本プレミックス協会、日本マーガリン工業会、一般社団法人日本ボランタリーチェーン協会、一般財団法人食品産業センター、一般社団法人日本植物油協会(順不同)

※3後援
金融庁、農林水産省、経済産業省、国土交通省観光庁、日本政策金融公庫、日本貿易振興機構(JETRO)、株式会社 農林漁業成長産業化支援機構

北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、和歌山県、鳥取県、岡山県、山口県、香川県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、宮崎県、沖縄県 他

《FA》

 提供:フィスコ

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