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【杉村富生の短期相場観測】 ─ 9~10月に買い場が到来する意味とは…?


「9~10月に買い場が到来する意味とは…?」

●総論慎重、各論勝負の投資戦術が有効!

 いや~、抜群に強い相場である。日経平均株価(ザラバベース)は8月26日の2万0173円を安値に、一気に2000円強、10%超の急騰劇だ。9月に入って、世界の主要25カ国・地域の上昇率ランキングではトップを走る。

 まさに、大きく出遅れていただけに、怒りの猛反発じゃないか。マーケットでは「このまま2万3000円台乗せを狙う」と、強気の声があふれつつある。筆者の場合、ブレーキに足をかけるのが早すぎた? う~ん、これは難しい。ただ、この局面の投資戦術としては総論慎重、各論勝負が有効と思う。

 8月下旬以降の株価上昇は米中貿易協議の進展期待、イギリスのEU離脱交渉期限の延長、香港のデモの沈静化、米欧中の金融緩和(利下げ)→リスク・オンムードの高まりによってもたらされた。7~8月に、最悪シナリオをハヤし、売りまくった売り方の買い戻しもあった。いわゆる、地政学上のリスクの後退である。

 さらに、1ドル=108円台の円安も大きい。これによって、企業業績の下方修正懸念が軽減された。しかし、10月1日の中国の建国70周年(国慶節)を過ぎると、アメリカの中国政策は再び強硬姿勢に変わる恐れがある。中国は香港に対する締め付けを強化するだろう。

 “毛時代”よりも厳しい、と言われる共産党独裁の中国がこのまま手をこまねいているはずがない。それと、中東情勢だって、楽観できない。まあ、極端な弱気は無用だが、調子に乗って高値ゾーンを買い進むのは問題ではないか。

●「セル・イン・メイ」「ハロウィン効果」の教え

 さて、NY市場には「セル・イン・メイ」と「ハロウィン効果」という相場に関するアノマリー(説明のつかない不思議な出来事)がある。株式投資は5~6月に売り逃げ、9~10月に買え、との教えだ。買い場とされるハロウィンは10月末に行われる。

 ちなみに、 NYダウについてみると、2010年以降、9月末に買って、翌年4月末に売ったケースでは勝率100%だ。平均上昇率は11%である。1949年以降だと、勝率は73%、平均上昇率は8%だ。すごい数字である。

 「9~10月は買いじゃないか」。いや、違う。現状のNYダウの2万7000ドル台での仕掛けは逆の効果になるだろう。結論をいえばNY市場は例年、5~6月に高値をつけ、9~10月に安値をつける傾向がある。

 本家のイギリスではSell in May and go away, and come on back on St.Leger's Day(5月に売って、9月のセント・レジャーズ・デーまで戻ってくるな)と諭している。

 やはり、ここは銘柄重視の投資戦術を貫きたい。具体的にはIPOのアミファ <7800> [JQ]、事業環境が良好なアイ・アールジャパンホールディングス <6035> 、ラグビーW杯関連のハブ <3030> 、大商いのKLab <3656> などに注目できる。

2019年9月20日 記

株探ニュース

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