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富田隆弥の【CHART CLUB】 「差し掛かったチャートの節目、一進一退を繰り返すか」


日経平均株価は、5日に一時500円も上げた。1ヵ月近く続いた閑散小動きの“ウップン”を晴らすかのように全面高になった。そのキッカケは香港で逃亡犯条例改正案が正式に撤回されたことと、米中閣僚級交渉が10月から再開すると伝わったこと、そして溜まっていた売り玉が一斉に買い戻しを強いられたからであろう。ただ、このように好材料がそろって、大きく上伸するという展開がこの先も続くかは疑問だ。

◆日経平均の5日終値は436円高の2万1085円。日足チャートは2万100~2万700円のもみ合いゾーンを明確に上放れ、一気に75日移動平均線(2万1080円近辺)に乗せ、200日移動平均線(2万1230円近辺)や一目均衡表の雲(2万1056~2万1440円)にタッチした。週足では13週移動平均線(2万1150円近辺)にタッチして、26週移動平均線(2万1300円近辺)や52週移動平均線(2万1500円近辺)に迫った。つまり、大きく上げたもののチャートはまだ節目に差し掛かったところと言える。

◆裁定取引残高(8月30日現在)を見ると、買い残4886億円に対して売り残が1兆9384億円と過去最高水準に膨れている(倍率0.25倍)。5日の急伸にはこの買い戻しが多分に含まれていただろうし、買い戻し余地がまだ十分にあるのは間違いない。ただ、その買い戻しを進めるためには、(1)NYダウなど米国株が上昇基調を取り戻すこと、(2)為替がドル円ユーロ円とも「円安」基調を取り戻すこと、(3)香港情勢の鎮静化、(4)米中の関係改善、などが不可欠だろう。

◆マーケットの思い通りに行かないものばかりだが、そのほか米雇用統計(9月6日)や日本のメジャーSQ(9月13日)、FOMC(9月18日)などのスケジュールもある。日本株はこの先も「一進一退」の展開を繰り返すことを覚悟しておきたい。

(9月5日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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