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来週の相場で注目すべき3つのポイント:日米貿易交渉、盆休み入り、米中経済指標発表


■株式相場見通し

予想レンジ:上限21000-下限20000円

来週の日経平均は陰の極を脱してもみ合いに転じることが期待される。日経平均は9日にかけて続伸したものの、7日までの4日続落の下げ幅1024.43円の20%も戻っていない。通商問題を巡る米中の応酬によって、世界経済減速への懸念と懸念後退が交互にやってくる。今後もこの流れは継続しよう。そこに米財務省による中国の為替操作国認定に伴い人民元動向が新たなネガティブ要因に加わった。目先は一巡したものの、各国中央銀行の相次ぐ利下げも懸念材料だ。14日に中国の7月小売売上高、15日には米国の7月小売売上高と主要経済指標の発表が予定されており、薄商いのなかを先物取引に大きく揺さぶられる懸念もある。このように懸念材料が多いなか、日米貿易交渉についてノイズが聞こえてこないことはプラス要素だ。事務レベルの協議が13日、14日とワシントンで開かれることが9日に決まった。閣僚協議は8月中に予定されているが、24日からはG7サミット(先進7カ国首脳会議)が控えていることもあり、協議の進展は安心材料の1つではある。

一方、カレンダー的には3連休明けの4営業日取引の週となるうえ、一般にも「盆休み」ムードが支配的な週である。13日、14日の決算発表は大型株がほぼ一巡しており、中小型株が主体となる。15日からの週後半は企業サイドからの発表も限られてくることから、手掛かり難の展開となることが予想されよう。テクニカル的に、日経平均は9日のリバウンドで5日移動平均線を7月30日以来上回った。5日線水準を回復してきたことで、一気に20000円の大台割れの懸念が後退しているとみられる。

主な国内経済関連スケジュールは、12日は振替休日で東京市場が休場、13日に7月国内企業物価指数、6月第三次産業活動指数、日米貿易協議事務レベル会合(14日まで、ワシントン)、14日に6月機械受注、決算発表一巡が予定されている。一方、米国など海外経済関連の主要スケジュールは、12日に米7月財政収支、13日に米7月消費者物価、14日に中国7月都市部固定資産投資、中国7月工業生産、中国7月小売売上高、ユーロ圏4-6月期GDP、米7月輸出入物価、15日に米8月NY連銀製造業景気指数、米8月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米7月小売売上高、米7月鉱工業生産・設備稼働率、米8月NAHB住宅市場指数、米6月企業在庫、16日に米7月住宅着工件数、米7月建設許可件数が予定されている。


■為替市場見通し

来週のドル・円は弱含みか。目先的には人民元相場の動向を意識した取引が主体となりそうだ。各国中央銀行は金融緩和策を強化する姿勢を見せており、米連邦準備制度理事会(FRB)による9月大幅利下げに思惑が広がりやすい。米国経済指標が悪化した場合、リスク回避のドル売りが強まる見通し。トランプ米政権は中国を為替操作国に認定し、当面は日々の人民元の中心レートが注目される。ただ、中国政府は大規模な資本流出を招く恐れがあるとして、大幅な人民元安は回避したいとみられる。人民元相場がドル安・元高方向に向かえば市場の警戒感は和らぎ、リスク回避の円買いは弱まろう。

しかしながら、世界各国の中央銀行は緩和的な金融政策スタンスに傾いており、米FRBは9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50ポイントの大幅利下げに踏み切るとの観測が広がっている。ドル・円は105円台で国内勢を中心に押し目買いが入りやすいものの、トランプ大統領はFRBに対して金融緩和を呼びかけており、ドル高が製造業などに与える影響を懸念していることから、ドル・円は年初来安値の104円台が視野に入りそうだ。


■来週の注目スケジュール

8月12日(月):株式市場は振替休日のため休場、米財政収支、中・マネーサプライなど
8月13日(火):日・工作機械受注、英失業率、独ZEW期待指数、米消費者物価コア指数など
8月14日(水):中・小売売上高、独GDP、英消費者物価コア指数、ユーロ圏GDP、米・輸入物価指数など
8月15日(木):豪・失業率、トルコ・失業率、英小売売上高指数、米・小売売上高など
8月16日(金):欧・貿易収支、米・住宅着工件数、石油輸出国機構(OPEC)月報など

《SK》

 提供:フィスコ

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