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後場に注目すべき3つのポイント~3連休を前に利益確定の売りが出やすい


9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は続伸、3連休を前に利益確定の売りが出やすい
・ドル・円は小じっかり、日本株高で円売り
・値上がり寄与トップは、資生堂<4911>、同2位はテルモ<4543>

■日経平均は続伸、3連休を前に利益確定の売りが出やすい

日経平均は続伸。152.40円高の20745.75円(出来高概算6億1000万株)で前場の取引を終えている。

8日の米株式市場でNYダウは反発し、371ドル高となった。中国の7月貿易収支で輸出が予想に反して増加し、世界経済減速への懸念が和らいだ。中国人民銀行(中央銀行)が人民元基準値を予想より元高水準に設定したほか、主要国での長期金利低下が一服し、幅広い銘柄に買い戻しが広がった。米政権が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と米企業の取引再開の許可を先送りしているとの報道から、朝方に1ドル=105.70円台まで円高が進む場面もあったが、本日の日経平均は米株高を好感して164円高からスタート。朝方に一時20782.06円(188.71円高)まで上昇すると、本日の人民元基準値を見極めたいとの思惑から上値が重くなった。その人民元基準値は1ドこれを受けてやや強含んだ。東証1部の値上がり銘柄は全体の6割強、対して値下がり銘柄は3割強となっている。なお、日経平均オプション8月限の特別清算指数(SQ)は市場推計で20855.99円だった。

個別では、資生堂<4911>が売買代金トップで9%超の上昇。第2四半期の3カ月間(4-6月)が市場予想を上回る大幅な増益となり、好感した買いが膨らんだ。その他売買代金上位ではソニー<6758>が2%超上昇し、ソフトバンクG<9984>や任天堂<7974>もしっかり。ファーストリテ<9983>、ソフトバンク<9434>は小幅に上昇した。決算発表銘柄ではバンナムHD<7832>やテルモ<4543>が買われ、カドカワ<9468>は15%超高と急伸。また、Ubicom<3937>が東証1部上昇率トップとなった。一方、ファナック<6954>などがさえない。富士フイルム<4901>やダイフク<6383>は軟調な決算が嫌気されて売られ、ネクソン<3659>が東証1部下落率トップとなった。セクターでは、鉱業、精密機器、その他製品などが上昇率上位。反面、パルプ・紙、証券、ガラス・土石製品などが下落率上位だった。

前日の米株高を引き継ぎ、本日の東京市場でも買い戻しの動きが続いている。中国の人民元基準値が小幅な元安水準となり、元安加速への懸念が和らいだことも支援材料となった。日経平均は7月高値21823.07円(25日、取引時間中)から8月安値20110.76円(6日、同)までの下落分の3分の1強を取り戻している。日足チャート上では5日移動平均線を上抜け、目先は一段の戻りが期待されてくる可能性がある。

とはいえ、週前半に日経平均の鮮烈なリバウンドを演出した日経レバETF<1570>の買いには一服感があり、3連休を前に利益確定の売りが出やすいところでもあるだろう。通商問題を巡る米中の応酬が続いているだけに、ポジションの持ち越しを嫌う個人投資家は多そうだ。後場の日経平均は20600~20700円台でのもみ合いが続くとみておきたい。


■ドル・円は小じっかり、日本株高で円売り

9日午前の東京市場でドル・円は小じっかり。人民元の基準値設定によるリスクが後退し、日本株高を背景とした円売りに振れドルは106円付近に浮揚した。

米トランプ政権の連邦準備制度理事会(FRB)に対する大幅利下げ圧力などが嫌気され、ドルは前日NY終値を下回って寄り付いた。ただ、人民元の基準値が市場の想定をよりも現高方向に設定され、警戒の円買いが巻き戻された。

ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いを維持し、足元は日経平均株価の上昇基調継続を期待した円売りに振れやすい。また、中国株や欧米株式先物のプラス圏推移も、円売りを支援。ドルは106円台の定着を目指す展開のようだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は105円73銭から106円09銭、ユーロ・円は118円32銭から118円79銭、ユーロ・ドルは1.1180ドルから1.1194ドルで推移した。


■後場のチェック銘柄

・太平電業<1968>、ホープ<6195>がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップは、資生堂<4911>、同2位はテルモ<4543>


■経済指標・要人発言

【要人発言】

・ロウ豪準備銀行総裁
「状況が正当化されれば非伝統的政策の用意も」
「豪失業率は2021年に再び5%への低下が中心シナリオ」
「賃金の伸びが一段と加速することは達成可能であり、望ましい」
「最近の製造業の低迷が続くなら深刻な問題」
「雇用やインフレ目標のため必要なら追加利下げの用意がある」

・豪準備銀・四半期金融政策報告
「必要なら政策を緩和する用意がある」
「長期的な低金利が続くとの予想は妥当」
「2019年12月までのGDP見通しを+2.75%から+2.50%に下方修正」
「2019年12月までのCPI見通しを1.75%に据え置き」
「政策金利を今年末までに0.75%、来年上半期までに0.50%への引き下げを市場は織り込み済み」


【経済指標】

・日・4-6月期GDP速報値:前期比年率+1.8%(予想:+0.5%、1-3月期:+2.8%←+2.2%)

・日・7月マネーストックM3:前年比+2.0%(予想:+2.0%、6月:+2.0%)

・中・7月消費者物価指数:前年比+2.8%(予想:+2.7%、6月:+2.7%)

・中・7月生産者物価指数:前年比-0.3%(予想:-0.1%、6月:0.0%)


<国内>
特になし

<海外>
・14:45 スイス・7月失業率(予想:2.1%、6月:2.1%)
・15:00 独・6月貿易収支(予想:+195億ユーロ、5月:+206億ユーロ)

《HH》

 提供:フィスコ

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