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大容量・同時多数接続で出番、5Gアンテナ「MIMO関連株」に照準 <株探トップ特集>


次世代通信規格「5G」時代到来で期待されるMassiveMIMOとその周辺株を洗う―

 4月10日、総務省は次世代通信規格「5G」に必要な電波をNTTドコモ <9437> 、KDDI <9433> 、ソフトバンク <9434> 及び楽天 <4755> グループの楽天モバイルの通信キャリア4社に割り当てると発表した。これを受けて、各社は2020年春から順次5G通信の運用を開始する予定で、いよいよ5G時代がスタートすることになる。

 5Gの最大速度は下りで毎秒20ギガ(ギガは10億)ビット。現在の4Gの約100倍となり、例えば2時間の映画であれば3秒程度でダウンロードできる。これを可能とするのが新たなアンテナ技術である「Massive MIMO(マッシブ・マイモ)」だが、市場の関心はまだ低く、今後注目度が高まりそうだ。

●大容量・同時多数接続の実現で不可欠

 アンテナといえば、棒状のものを思い浮かべる人が多いと思われるが、MIMOは超小型のアンテナ端子が縦・横に多数配置された平面状のもの。この構造により、サーチライトのようにアンテナが向いた方向に電波を集中させることができ、5Gの特徴である大容量・同時多数接続を実現することができるようになる。

 実は、MIMO技術そのものは既に4Gで使われていた。ただ、4G用ではアンテナの数は縦2列×横2列の4本か4列×4列の16本程度だったが、5G用では8列×8列の64本や12列×12列の144本、あるいは16列×16列の256本が備わっているものもある。同じMIMOでも4Gのものに比べて大規模となることから、Massive(大規模な)MIMOと呼ばれている。

 5Gでは、モバイル通信では使われてこなかった「ミリ波帯」という高い周波数帯も活用できるようにしたが、高周波ではアンテナを小型化できるため、アンテナ端子が多いMassive MIMOと相性が良い。5Gインフラの整備において不可欠な技術といえる。

●需要本格化は20年後半から

 既に決算発表が概ね一巡した19年3月期決算でも、一部で5G関連需要が表面化した企業や、20年3月期に関連需要を見込む企業がみられた。もっとも、5G投資は第1段階として4G大規模基地局の高性能化を含んだ投資が20年まで続き、その後は第2段階として5G用小規模基地局を中心に20年代半ばまで投資が行われることから、投資期間を考えるとまだ初期段階にあたる。

 特にMassive MIMOに関する需要が増加するのは20年後半からとみられている。ただ、通信キャリア4社は、特定基地局などの設備投資として、24年度までに合わせて約1兆6600億円を投じる予定であることから、関連銘柄への恩恵は中長期に及びそうだ。

●アンテナ専業にインパクト大か

 5G関連銘柄としては、これまで通信計測器のアンリツ <6754> を本命として、ネットワーク構築のネットワンシステムズ <7518> 、基地局工事のコムシスホールディングス <1721> や協和エクシオ <1951> などへの関心が高かった。

 一方、「Massive MIMO」ではアンテナ端子の需要拡大が期待できる。アンテナシステムを手掛けるNEC <6701> や三菱電機 <6503> などに加えて、アンテナ専業で通信向け大手の日本アンテナ <6930> [JQ]や電気興業 <6706> などに一層の恩恵が期待できる。前述のようにMassive MIMOの需要が増加するのはまだ先なので、20年3月期業績へ貢献するかは未定だが、需要が本格化すれば専業だけに業績へのインパクトは大きい。また、日本電産 <6594> も5G向けアンテナへの参入を発表し、通信キャリア向け技術紹介などを進めており、その動向には要注目だ。

●多層セラミックコンデンサなどにも恩恵

 Massive MIMOはアンテナ端子ごとに電力増幅を持ち、アナログとデジタルの変換を行うほか、アンテナ数が増えるため回路が複雑となる。このことから多層セラミックコンデンサ の村田製作所 <6981> や太陽誘電 <6976> 、イビデン <4062> などにも商機が拡大しそう。

 また、AGC <5201> は18年7月にNTTドコモ <9437> 及びエリクソン・ジャパン(東京都港区)と共同で、ガラスアンテナを搭載した自動車で5Gでの通信に成功したと発表したが、これにもMIMO技術が活用されており、関連銘柄として注目したい。

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