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清水洋介氏【日経平均700円安! この暴落は売りか買いか】(2) <相場観特集>


―俄かに存在を大きくした景気後退懸念とどう向き合う?―

 週明け25日の東京株式市場は欧米株安と円高、アジア株下落などが覆いかぶさり、日経平均株価が一時700円を超える急落となった。昨年12月25日の“クリスマス暴落”以来の下げ幅で文字通りの全面安商状、にわかにリスクオフ相場の色を強めている。じりじりと上値を慕う動きをみせては一気に値を崩す展開が年初から続いているが、中期トレンドの分水嶺である75日移動平均線近辺で売り買いを交錯させる今回はどうか。第一線で活躍する市場関係者に見解を聞いた。

●「下値余地は限定的、米国株に比べ底堅い展開も」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

 当面の東京株式市場は、上値は重いものの、基本はもみ合い相場にとどまるとみている。特に、27日の権利落ち後の値動きに注目しており、配当再投資の買いなどが現物株に入るかどうかがポイントだろう。個人的には、再投資の買いで4月第1週にかけて日経平均株価は底堅い値動きが期待できると思う。ただ、第2週以降は4月末からの10連休が意識され、様子見気分が強まるなか、売買はポジション調整にとどまる可能性がある。

 世界の金融市場は、景気減速を警戒している。景気への期待が強かっただけ、米国株は売りに押される展開も予想される。ただ、日本株に関していえば、さほど期待は高くなかっただけに下げは限定的だろう。半導体株でも、米国と日本ではPERなどバリュエーションに大きな差がついていることが象徴的だ。このため、日本株は意外に底堅い値動きも予想される。為替も、円高が進んでも1ドル=108円00銭前後がメドだろう。為替相場も世界景気の減速は大分、織り込んでいると思う。

 こうしたなか、今後1ヵ月程度の日経平均株は、下値は2万800円、上値は2万1600円前後の狭いレンジでの値動きを予想している。

 個別セクターでは、大手銀行株に注目している。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> や三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> といったメガバンクのほか、ゆうちょ銀行 <7182> などの株価は売られ過ぎだとみている。金利低下による大手銀行の業績悪化懸念が指摘されているが、大手銀行の株価はこの点を過度に織り込んでいるように思える。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)
大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

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