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【植木靖男の相場展望】 ─ 日本株市場は天気晴朗なれど浪高し


「日本株市場は天気晴朗なれど浪高し」

●ポイントとなる週末・週初の米国株

 株価は、ここ滞りなく、順調に水準を切り上げてきた。年明け後、2月8日に初めて大幅下落となったとき、投資家は背筋に寒気を憶えたが、翌日には急反騰して首の皮一枚つながり、なんとか乗り切った。

 その後は多少ふらつく場面もあったが、順調といえる。

 2月8日の大幅下落の要因は、言うまでもなく米国株の急落がもたらしたもの。改めて今の日本株は米国株次第であることを痛感させられた。

 その米国株は、昨年12月24日安値から今日まで19%も値上がりしている。日経平均株価は僅か12%アップに過ぎない。このことをもって日本株は出遅れだ、とする見方もあるが、相場に間違いはないのだ。日本株には出遅れるだけの理由があるからだ。

 いずれにしても、日本株は米国株にけん引されているのだ。

 米国株上昇の要因は、米中貿易協議進展への期待とFRB(米連邦準備制度理事会)の保有資産縮小の停止予想に尽きる。

 では、今後は日本株はどう展開するとみればよいのか。

 米国株次第なら、その米国株をどうみるか。昨年10~12月の大幅下落の反動、修正高はやはり大枠1~3月とみれば、この間通常みられる中押しはもうそろそろ始まってもよいはず。

 2月21日の米株急落はひょっとしてそのきっかけとなるかもしれない。

 22日の週末、25日の週明け相場はかなり重要である。注目したい。

●強まる警戒心、物色は出遅れ株へ

 日本株は米国株に追随するが、ここ気になることは場中、理由もなくずるーっと下げることがある。本当に強気相場のときは、こうした下落はみられない。警戒心が強まってきた証しといえよう。

 上昇の日柄が延び、株価水準が上昇すれば、それだけリスクが膨らむのは自然の理であろう。

 一言でいえば、日露大海戦時の秋山真之少佐が綴った「天気晴朗ナレドモ浪高シ」である。

 注目すべきは、仮に下押した場合、どの辺りまで押すのか、である。それによって次の展開が大きく変わってくるはずだ。

 さて、物色対象だが、昨年活躍したハイテク株は人気は高いが、その反応は鈍い。替わって市場人気を盛り上げているのが内需、それも医薬品、電気、ガス株などディフェンシブ株だ。こうした出遅れ株が買われること自体、主力戦は終わったというべきだろう。

 今回は、こうしたことを念頭に、次の3銘柄に注目したい。ひとつは悪目買いのZOZO <3092> 。また折にふれ仕手化するカドカワ <9468> 。最後に東京放送ホールディングス <9401> 。いずれも内需の出遅れ株だ。

2019年2月22日 記

株探ニュース

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