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大石哲之:2月18日週の仮想通貨市場振り返り【フィスコ・仮想通貨コラム】


以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2019年2月22日に執筆

2月18日週のビットコイン(BTC)は39.3~44.0万円で推移している。26日にアップデートを控えたイーサリアム(ETH)が18日に前日比10%超の上昇をみせると、これにけん引される格好でビットコインも約1カ月ぶりに40万円を明確に上抜け、その後も価格上昇は継続。20日には、Coin Market Cap調べによる仮想通貨の日間取引量が過去300日間で最高となる33.85億ドルになったと報じられた。VanEck版のビットコインETF(上場投資信託)申請について米証券取引委員会の審査が20日から開始されるなどポジティブな報道も後押しとなった。

今週はETHの強さが市場を牽引した。基本的にはハードフォーク・アップデートへの期待感からの上昇と考えられる。同時にEOSも力強い上昇をみせており、ETHとの連想買いが伺える。

何度も書いているように、ETHのアップデートは、広範な機能改善を含む性能改善の面が大きいが、同時にPoS(プルーフ・オブ・ステイク、仮想通貨の合意形成アルゴリズムの一種)への移行をにらんだマイニング報酬の減額も含まれる。現行のPoW(プルーフ・オブ・ワーク、同じく合意形成アルゴリズムの一種)ではマイナーの報酬が単純に33%カットされるが、PoSはまだ可動していないためカット分を補填するものがない。つまり、単純な減額になる。

PoSとは、どれくらいの仮想通貨を保有しているかで次のブロック生成を行いマイニング報酬を得られるかの確率が決まる。現行のイーサリアムやビットコインはこれとは異なるPoWで、もっとも早く計算を解いたものがブロック生成を行う仕組みだ。

イーサリアムはGPUでマイニングされており、報酬が合わなければ他のコインの採掘に回るなど、大幅にハッシュレートが下がる可能性もある。また、報酬削減をきらったマイナーが旧チェーンを採掘し新コインが生まれる可能性も、わずかであるが存在する。積極的にはあり得ないと思うが、新コインの生成はマイナーにとっては収益期待値が高い行為であるため、短期的にも新コインをつくるモチベーションが無いとも言えない。

これをとりに行くには、現物のロングと、先物のショートを組み合わせて、数日間の間フォークコイン取りのポジションを作ることだ。

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執筆者名:大石哲之
ブログ名:ビットコイン研究所

《SI》

 提供:フィスコ

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