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大谷正之氏【節分天井? 強調展開続く東京市場の行き先は】(2) <相場観特集>


―買い手不在とみられた環境下でも意外に強い日経平均―

 15日の日経平均株価は続伸となり、心理的なフシ目の2万500円台を上回ってきた。中国経済や英国のEU離脱問題など外部環境は依然として不透明で、下値リスクに対する懸念も拭い切れない状況だが、目先は円安を味方につけて予想以上に足腰の強い地合いとなっている。1月相場も後半に入り、“節分天井”に向けた思惑も募るところだが、第一線で活躍する市場関係者の目にはどう映っているのか。全体相場の見通しと物色の方向性について聞いた。

●「2月半ばにかけ2万1000円台目指す」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 今週は海外で重要なイベントが目白押しで、これらに対する株価の反応を注視しなければならない。まず、現地15日に、英議会でEU離脱協定案の採決が実施される。また、米国では、12月の生産者物価指数・小売売上高・住宅着工件数・鉱工業生産指数・設備稼働率の発表が相次いで予定されている(ただし、米政府機関の閉鎖が長引いた場合は、発表が延期される可能性もある)。更に、米企業の18年10-12月期の決算発表が本格化する。こうしたイベントを極端な波乱なく経過すれば、その後の株式相場は日米ともに落ち着きを取り戻すことになりそうだ。

 今月下旬からは、日本でも18年10-12月期の決算発表が本格化してくることで、その内容を吟味した個別物色に関心が向かうことになる。トランプ米大統領の発言や、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利政策の舵取りなどに注意は必要だが、円相場が極端な円高に振れない限り、日経平均は2万円台での値固めからジリ高歩調をたどることになりそうだ。今後、2月半ばにかけては2万800~2万1000円水準を目指す展開が予想される。

 個別銘柄では、最近復調傾向にある新興市場から、昨年新規上場を果たした2銘柄に注目したい。一つ目は、勤怠管理、経費精算などの従業員が日々利用するアプリケーションを一つにまとめたクラウドサービス「TeamSpirit」の提供が主力事業のチームスピリット <4397> [東証M]に注目。更に、組み込み機器に特化したOSの開発販売が主力で、昨年10月にデンソー <6902> の出資を受けて、次世代自動車向けの開発を加速させているイーソル <4420> [東証M]にも期待がかかる。

 東証1部上場企業からは、ガードマン派遣による常駐警備を主体とするセントラル警備保障 <9740> のビジネスチャンス拡大に目を向けたい。同社が10日に発表した19年2月期第3四半期累計(18年3-11月)の連結経常利益は30億3400万円(前年同期比2.3倍)と急回復し、通期予想の経常利益33億7000万円(前期比65.7%増)に対する進捗率は90%に達している。来期以降もホームドア設置・運営に伴うJR各社向けをはじめ、新天皇陛下即位、G20、ラグビーワールドカップ開催などイベント関連の警備需要が目白押しとなっている。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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