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富田隆弥の【CHART CLUB】 「続く荒い値動き」


◆アップルショックで始まった2019年相場だが、米中貿易協議の進展期待や中国人民銀行の預金準備率引き下げ、好調な米雇用統計、そして「利上げを急がない」としたパウエルFRB議長の柔軟な方針を好感し、その後は戻り歩調にある。だが、ここでの上昇はあくまでも年末年始の下落過程で膨らんだ売り玉の「買い戻し/ショートカバー」であることも見逃せず、新春相場は買い戻し一巡後に改めてその真価が問われることになるだろう。

日経平均株価の日足は、昨年12月26日安値の1万8948円まで下げ、二段下げを演じた。そこで年初来安値銘柄が1600を数えるなど、当面のセリングクライマックスになった可能性が高い。RCIや騰落レシオなどのテクニカル指標は底値を示唆し、裁定買い残は5578億円(12月21日現在)とカラカラの状態であれば、その後の戻りは当然でもあり、日経平均は先物主導で25日移動平均線(2万0800円台)やネックライン(2万1000円)を目指してもおかしくない。

◆ただし、2万1000円までは崩れたあとのアヤ戻しであり、上値が抑えられたあとの推移がポイントになる。年末年始が波乱になった過去の相場(2007~08年や2015~16年など)を検証すると、2~3月にかけて下値を再度試し、チャートが好転するのは4月になってからというのが目立つ。今回も2~3月にかけて、再び1万9000円前後の下値を試す可能性があることは想定しておくべきかも知れない。

NYダウNASDAQのチャートも、推移は概ね日経平均と同じだ。そして、日米ともマーケットは依然ボラティリティ(変動率)が高く、まだしばらくは荒い値動きが続くことを想定しておくべきだろう。そうなると、個別株では日経平均の日足の流れに従い小まめに対応するのが望ましい。

(1月10日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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