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Society5.0へ――超スマート社会目指す「シーテック2018」の見どころは <株探トップ特集>


―株式市場注目のキーワード目白押し、ローソン・コマツなど初出展も話題―

 「CEATEC JAPAN(シーテック ジャパン)2018」が16~19日にかけて幕張メッセで開催される。例年、最先端の技術やサービスが紹介されることから国内外の関心は高く、昨年は667社・団体が出展し、15万人を超える来場者を集めた。今年も「IoT(モノのインターネット)」など、株式市場で度々話題となるキーワードが目白押しで、初出展企業を中心に注目しておきたい。

●今年のテーマ「つながる社会、共創する未来」

 2000年に家電見本市としてスタートしたシーテック ジャパンは、16年に「最先端IT・エレクトロニクス総合展」から「CPS/IoTの総合展」へと大きく舵を切った。CPS(サイバーフィジカルシステム)とは、実世界(フィジカル空間)にある多様なデータをセンサーネットワークなどで収集し、サイバー空間で大規模データ処理技術等を駆使して分析・知識化を行い、そこで創出した情報や価値によって産業の活性化および社会問題の解決を図っていくことを指す。こうした概念を基盤として、CPS/IoTでつながりが深まる社会、新たにもたらされる未来を創り出す場へと生まれ変わっている。

 19回目を迎える今年のテーマは、「つながる社会、共創する未来」を掲げ、あらゆる産業・業種の共創による超スマート社会の実現に向けて発信する「Society(ソサエティー) 5.0」の展示会と位置付けられている。「電子部品/デバイス&装置」「AIビッグデータ」「5G」「サイバーセキュリティー」の4つを注目テクノロジーに、「モビリティー/ロジスティクス」「スマートファクトリー」「スマートワーク」「エネルギー/スマートライフ」「フィットネス/ヘルスケア」「エンターテインメント」の6つが注目のインダストリ/マーケットとして設定され、出展する顔ぶれは多岐にわたっている。

●ローソンはウォークスルー決済など展示

 見どころのひとつが、展示スペースが前年に比べて約2倍に広がる「IoTタウン」だ。IoTタウンは「社会課題を解決してSociety5.0を築く」を主題に、さまざまな産業のフロントランナーが集積する企画で、豆蔵ホールディングス <3756> やLIXILグループ <5938> 、アンリツ <6754> 、バンダイナムコホールディングス <7832> 、凸版印刷 <7911> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> などが出展を予定している。

 IoTタウンで特に注目したいのが、ローソン <2651> 、イオンフィナンシャルサービス <8570> 子会社のイオンクレジットサービス、ライオン <4912> 、三菱地所 <8802> といった初出展企業で、モノとサービスが一体化したソリューション・サービス(B2B2C)が展開される見通し。

 例えば、ローソンはIoTを中心としたデジタル技術の革新でさまざまな新サービスを実現し、リアル店舗の特徴である“おもてなし”をより進化させた未来のコンビニエンスストアを紹介。具体的には、商品に付いているRFIDタグを読み取ることで、レジ打ちや金銭の受け渡しをせずに会計できる「ウォークスルー決済」や、顧客の購入履歴や嗜好、健康状況に応じてカスタマイズされた、作りたてでおいしい食事を提供する「調理ロボット」などを展示する。

 ライオンは口臭に関する知見を活用して開発中の「口臭ケアサポートアプリ」プロトタイプ版の体験デモンストレーションなどを行うほか、三菱地所は「交わる=x(クロス)」をコンセプトに、「貸しオフィス」や「街・ビルを使った実証実験の提供」、企業同士が出会う場「ミートアップイベント」、「スタートアップと大企業のコラボレーション」などの取り組みを紹介する計画だ。

●コマツはスマートコンストラクションを紹介

 また、「トータルソリューション」エリアにはコマツ <6301> とダイキン工業 <6367> が、「スマートファクトリー」エリアには立花エレテック <8159> が初めて参加する予定。コマツは建設現場に携わる人やモノ(機械、土など)に関するさまざまな情報をICT(情報通信技術)でつなぎ、建設現場の安全・生産性を向上させるソリューション事業「スマートコンストラクション」の最新の取り組みを紹介。ダイキンは「未来の空気」を目指したアイデアなどを説明するほか、立花エレテックは「近未来工場をコーディネート」と題して、複数メーカー装置の機械間通信(M2M)コントロールや拡張現実(AR)技術を利用した最新デバイスソリューション、人工知能(AI)画像センシングを展示する。

●富士通ゼ、新光商、三菱UFJにも注目

 これ以外にも注目展示は多く、三菱電機 <6503> の次世代運転支援技術を搭載したコンセプトカー「EMIRAI4(イーミライフォー)」、富士通ゼネラル <6755> の身に着けて涼感が得られる「ウェアラブル冷却装置」、太陽誘電 <6976> の全固体リチウムイオン二次電池、新光商事 <8141> の空中に浮かんだボタンを非接触で操作できる「Alplay」、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> のデジタル通貨「MUFGコイン」など。

 このほか、UKCホールディングス <3156> 、オプティム <3694> 、ユーザベース <3966> [東証M]、マクロミル <3978> 、サイバネットシステム <4312> 、CAC Holdings <4725> 、ロゼッタ <6182> [東証M]、石井表記 <6336> [東証2]なども関心を集めそうだ。

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