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富田隆弥の【CHART CLUB】 「期日向かい」


日経平均株価は1月23日の年初来高値2万4129円の6カ月期日(7月23日)を前に反発を強めてきた。「期日安値」を模索する展開も想定されたが、年初来安値銘柄が548を数え、2万1462円安値を付けた7月5日がミニ・セリングクライマックスになったことから、今度は期日に向けて高値を取りに行く「期日向かい」の可能性も出てきた。

◆調整が長引いて信用買い残の評価損率が▲13.8%(7月6日現在)に悪化するなど、個別株の採算は悪化(含み損が拡大)していた。7月6日の米国による中国製品への制裁関税発動(340億ドル)を控え、中国の上海総合が下げを強めたこともあり、5日に投げ売りが集中した。しかし、制裁が発動されると日米ともに株価は反発、「出尽くし感」を強めた。

◆11日早朝に米国が2000億ドル相当の対中追加制裁を打ち出したことで日米とも株価は急落したが、それも翌12日には取り戻す勢いをみせている。このように「出尽くし感」から株価が上昇を強める動きは2016年6月の英国のブレグジット(EU離脱)決定、同年11月のトランプ当選時を彷彿させる。

◆つまり、懸念や不安に備えてマーケットには空売り(ショート)が入っており、懸念が現実になると買い戻し(ショートカバー)を誘って上昇することになる。12日現在、空売り比率は44.3%と40%超が19日間続くほか、オプション市場のプット・コール・レシオは1.7倍台と11年ぶりの高値水準にあるだけに、株価上昇が続くとこれらの巻き戻しにより意外高を演ずる可能性もある。

◆12日の日経平均は255円高の2万2187円引けで、日足は割り込んだ75日移動平均線(2万2234円)や200日線(2万2191円)、25日線(2万2328円)のまだ下にある。これら平均線が戻り過程では節になるものの、先物主導の買い戻しとなれば節目をクリアするのは難しくなく、NYダウナスダックの上昇が伴うならば5月と6月に形成したダブル・トップ水準の2万3000円を試してもおかしくない。

◆とはいえ、日柄面では高値期日の7月23日、週足ベースで変化日となる7月第三週がポイント。夏休み本番でもあり「期日向かい」として7月後半のどこかで戻り高値をつける可能性があることは想定しておきたい。値動きが荒くなっており、短期日足チャートにトレンドラインを引きながら、流れに従うこともポイントだ。

(7月12日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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