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翻訳センター Research Memo(7):第四次中期計画をスタート。機械翻訳(NMT)に取り組む事業モデルに転換


■中長期の成長戦略

1. 第四次中期経営計画がスタート
翻訳センター<2483>は、2019年3月期を初年度、2021年3月期を最終年度とする第四次中期経営計画を発表した。最終年度の業績目標としては、売上高で13,600百万円(年平均成長率8.6%)、営業利益で1,300百万円(年平均成長率17.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益で850百万円(年平均成長率14.5%)としっかり収益力を高めながら成長しようという計画だ。経営指標としては、連結営業利益率で10%(2018年3月期は7.5%)、自己資本利益率(ROE)で15%以上(同15.2%)である。ちなみに、第三期中期経営計画では、売上高の年平均成長率は4.9%、営業利益は同16.7%であり、リアリティのある達成目標と評価できる。

2. 基本方針と重点施策
本中期経営計画のポイントは、機械翻訳(NMT)に本格的に取組む事業モデルへの転換だ。基本方針としては、「日本を代表する言語サービスのコンサルティング企業を目指し、最新のテクノロジーを活用したソリューションビジネスへの転換を図り、翻訳事業の高付加価値化を実現する。」である。重点施策としては、(1)ソリューション提案力の強化、(2)言語資産の活用、(3)経営基盤の整備の3点であり、いずれの項目もAIやICTを活用した施策である。

(1) ソリューション提案力の強化
専門分野特化型で翻訳業務を受注する従来のビジネスモデルは維持しつつ、機械翻訳(NMT)を販売し顧客社内の翻訳業務の効率化提案に注力する。出資する(株)みらい翻訳の得意とする機械翻訳ツールをベースに顧客毎に個社専用エンジンの構築を支援する。

(2) 言語資産の活用
翻訳支援ツールや機械翻訳(NMT)を活用する上でカギとなるのはデータである。同社には翻訳システムの精度向上に必要な対訳文データを生成できる強みがある。その強みを生かして蓄積したデータを効果的に運用する環境を整備し、翻訳文の品質安定と生産性向上を目指す。

(3) 経営基盤の整備
翻訳以外の業務プロセスのICT化を行う。翻訳の前工程(見積もり、受注、翻訳者選定)や翻訳の後工程(納品)を含めたコーディネータの業務をICTで標準化・自動化し生産性向上を図る。


■株主還元策
2018年3月期は4年連続増配、株式分割を実施
同社は、企業の利益成長に応じた継続的な還元を行うことを方針としている。2018年3月期の1株当たり配当金は年間29円(4年連続の増配)、配当性向は17.2%だった。2019年3月期は、配当金年間35円(5年連続増配)、配当性向19.6%を予想する。なお、流動性の向上を目的に、2018年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《MW》

 提供:フィスコ

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