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「先物取引」とは?初心者にもやさしい入門講座!(1)先物取引ってなに?(高井ひろえ)


こんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。

みなさんは、「先物取引」と聞いて、どんなイメージを持たれますか?株などと比べて馴染みがない、仕組みが難しそう、などなど、色々あると思います。私も最初はそう感じていました!ですが、学んでいくうちに、先物取引にしかない魅力があり、面白さがあるということが分かってきました。それを知らないのはもったいない。ということで、“「先物取引」とは?初心者にもやさしい入門講座!”として、基本から一緒に学んでいきましょう!

先物取引とは、「いつ(将来の決まった期日に)」「何を(特定の商品を)」「いくらの値段で(現時点で取り決めた価格で)」「いくつ買う・売るのか」ということを現時点で決めておく取引のことです。

具体例で説明しますね。
みなさんが、「とうもろこし」を産地から仕入れて消費者に売る企業の経営者だとします。普段は、とうもろこしを1本50円で仕入れていると仮定します。ですが、今年は産地の気象条件が悪くなりそうです。その場合、とうもろこしの供給が需要を大幅に下回り、仕入れる際の価格が急騰してしまうかもしれません。みなさんにとっては、仕入れ値と販売価格の差額が利益(粗利)となりますが、仕入れ値が急騰すると、利益が大幅に減ってしまったり、場合によっては仕入れ値が販売価格を上回って赤字になってしまったりする可能性があります。みなさんは、そのリスクを避けるために、「半年後に、とうもろこしを1本50円で、100本買います。」と「先」に「物」を買うことを約束しました。そして、みなさんは約束をする際に、総額(50円×100本=5,000円)の5~10%程度を証拠金として預け入れました。半年後、約束通りの値段で100本を買い取ることができました。これが、「先物取引」です。

この具体例のように「商品(モノ)」を取り扱う先物取引を「商品先物取引」と言います。商品には、石油、金、プラチナ、ゴム、とうもろこし、大豆などがあります。私たちにとって身近なものが多いですね!

商品先物取引には、この具体例のように現物のとうもろこしを取り扱う企業だけでなく、個人投資家・機関投資家も参加することができます。では、商品先物取引で投資家がどのように利益を得るのか、具体例を見てみましょう。

みなさんはとうもろこしの先物取引をする投資家です。とうもろこしの現在の相場が1本50円だと仮定します。ですがみなさんは、1年以内に1本100円くらいまで値上がりすると考えました。そこで、「1年後に、とうもろこしを1本50円で、100本買う」約束をし、証拠金を払いました。すると、3ヶ月後には、1本80円まで価格が上昇しました!そこで、みなさんは、「買う約束をした1年後まで待ってもいいけど、値段が下がってしまうリスクもあるし、、今売ってしまおう!!」と思い、売りました。その結果、約束をしていた買値(50円)と、現在の売値(80円)の差額(30円)、つまり「差金」を利益にすることができました!このように、商品先物取引では、商品の受け渡しはしなくとも、「差金」を決済するだけで取引をすることができます。だから、実際に現物のとうもろこしを取り扱わない投資家も取引に参加することができるんですね。

さらに、具体例では商品を買う約束をみましたが、「買い」から始めるだけでなく、「売り」から入ることもできます。今後とうもろこしの価格が下がると思えば、将来とうもろこしを「売る」約束をするのです。想定通りに価格が下がれば、買い戻した際に、売買で生じた差額を利益にすることができます。

ではここで、先物取引のポイントをおさらいしましょう!

■証拠金に対して数十倍の取引をすることができる
先ほどの具体例で、証拠金を払う場面を思い出してみてください。とうもろこしの総額を支払う必要がありませんでしたよね。このように、先物取引では、証拠金に対して数十倍の取引をすることができます(商品などによって倍率は変わります)。
■売りからもスタートできる
相場が上がる時も下がる時も利益を得るチャンスがあります。
■差金で決済ができる
現物(とうもろこしなど)の受け渡しは行わず、売りと買いの差額の受け渡しで決済を行います。

先物取引について、具体的なイメージを持っていただけたでしょうか!これからもご一緒に先物取引の基本を学んでまいりましょう!
次回は、先物市場が必要な理由を考えていきたいと思います!

“「先物取引」とは?初心者にもやさしい入門講座!”は、商品先物取引の基礎をフィスコの見解でコメントしています。

《FA》

 提供:フィスコ

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