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【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ いま狙うべきは鋼材・資源・エネルギー関連株


「いま狙うべきは鋼材・資源・エネルギー関連株」

●市場は北朝鮮“口撃”に過剰反応

 東京市場は強いのか、弱いのか。最近こんなご質問をよく受ける。その背景にはもちろん日経平均株価の弱々しい限りの動きがある。2万円の大台に乗っても一瞬。しかも、ここ数日は2万円から下に放れてしまいかねないような展開だ。

 これを見ると「強いのか、強いのか」ではなく、「弱いですね。大丈夫でしょうか」となるのが当然とさえいえる。

 NYダウ平均NASDAQともに過去最高値水準を保ち続けていることを考えると、日米市場のあまりの格差に悄然とするばかりだ。

 国内企業の収益は伸び続けていて、経済には特に大きな問題はない。一方、安倍政権に対する信頼は低下したままで、誰もがもはや本格回復はあり得ないと見ているものの、これはすでに株価に織り込まれていると考えてよい。問題は北朝鮮リスクであり、残念ながら東京市場はこれに弱い。北朝鮮の想定攻撃対象が日米なのだから、市場が恐れるのもある程度理解できるが、正直過敏すぎる。

 北朝鮮の想定攻撃宣言は、実際は巧妙に考慮された「口撃」だ。グアムの近海にミサイルを打ち込む場合、それは日本の島根、広島、高知の上空を通過するとの添え書きさえ付けている。これは日本政府や日本国民の反応、それも過剰反応を十分計算した上でのことと考えてよい。

 それはそれなりの効果を上げていることになるが、株式市場はクレバーな世界。一時的には間違った反応をすることがあるが、基本的には正しい判断を下すため、北朝鮮の想定攻撃計画が「口撃」に過ぎないことに気づくと見てよい。

 攻撃目標だけでなく、ミサイルの飛行距離、時間、通過地点などそれらしいデータを書き並べることも、単にリアリティを持たせているに過ぎないと。

 であるなら、早ければ週明けに早速回復に転じることもあり得るが、10日のNYダウ204ドル安、ドル円も108円台に下落では日経平均は上がりにくい。

●週前半には市場反転も

 それでもいつまでも下げ続けはしないので、週の前半には回復に転じることを想定して投資したい局面だ。投資対象としてふさわしいのは、次のような銘柄になる。

 まずは中国経済が堅調に推移していることを考えると鋼材・資源・エネルギー関連株の中から新日鉄住金 <5401> だ。建設、車向け鋼材需要が堅調に推移している上に、油井管も回復基調となっている。これらが株価をゆっくり持ち上げることに。

 鉄鋼メーカーの業績が上向くと、その周辺ビジネスを手掛ける会社も恩恵を受けるため、黒崎播磨 <5352> が魅力的だ。耐火レンガ首位であり、新日鉄住金向けが5割を占めるため、株も浮上が近いと見る。

 資源そのものではないが、黄銅棒や黄銅線に強いCKサンエツ <5757> [東証2]も高値圏ながら、需要増が続いているため、株も期待が持てる。

 アルミや伸銅、ステンレスなどの仕入れ、加工に強い白銅 <7637> も10日は高値から急反落したので、ここから狙いどころになる。

 他分野にも目を向けておくと、同業の日本M&Aセンター <2127> が新値更新を続けているのに、完全に取り残された格好になっているM&Aキャピタルパートナーズ <6080> がある。某大手証券による投資判断引き下げが響いている格好ながら、今後次第に見直される可能性が高い。

 以上をまとめると、ここでは北朝鮮リスクで急反落している状況を活かし、中国経済の堅調成長を踏まえて鋼材、資源・エネルギー関連株に投資しておこう、ということになる。

2017年8月11日 記

株探ニュース

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