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【植木靖男の相場展望】 ─ 7月には新たな風が吹くか


「7月には新たな風が吹くか」

●NYダウとナスダックの二極化現象

 本格的な梅雨を随所に迎えている。いずれ全国的になろう。

 ところで、株価は6月2日に2万円大台を回復したが、その後は冴えない展開を続けている。

 今の立ち位置はどうなのか。

 16年6月1万5000円割れを安値に上昇を始めた株価は、第一次上昇波動を本年3月1万9633円で終了した。そして、4月1万8335円を安値に第二次上昇波動に移行している。とすれば、今後下げるとしても4月安値を下回るとは考えられない。ここが下限であろう。

 いうまでもないが、わが国株価は主役が海外勢ということもあって主体性がない。米国株次第のところがある。その米国株価は、ダウ平均株価が史上最高値を突き進んではいるものの、 ナスダック指数はアマゾンなど一部銘柄に人気が集中、それが行き過ぎて6月8日に当面の天井を打って下落基調に入った。ダウ平均とナスダック指数の二極化現象だ。

 ナスダック指数の一部人気株はPER100倍という。そういえば、かつて平成バブル時、人気が集中したウォーターフロント株がPER100倍で大天井を打ったことを想起する。

●日米ともに7月に買いタイミング到来か

 さて、注目されたFOMCはほぼ予想通りの結果。市場では利上げ、FRBのバランスシート縮小に対して、これまで通り過剰流動性に変化なしとして無反応である。

 しかし、だからといってナスダック指数は下げてもダウ平均はなお高値を追うといった見方には警戒したい。童謡にある“こっちの水は甘いぞ、あっちの水は苦いぞ”といった二極化現象の持続性には疑問がある。ダウ平均の上昇はなお続くとみられるが、警戒するにこしたことはない。

 仮にダウ平均も頭打ちとなると、わが国株価への影響は大きいはずだ。

 もっとも、どういうシナリオにしても、7月中には日米株価ともに買いのタイミングが訪れよう。

 トランプ政策相場は地に墜ちた。しかし、なお命脈を保っている。医療保険改革案は今夏に、税制改革は当初より遅れるが年内に、インフラ投資は来春には法案が成立するとの見方が有力である。

 株価は、下げるべくして下がれば、次はこうしたトランプ政策を再び歓迎する雰囲気が市場に醸成されることになり、それが株価上昇を加速させることになるのではないか。

 相場は、その時の“風”で決まるもの。折しも7月には注目の都議選がある。歴史を変えるような“風”が吹くかもしれない。新たな“風”に期待したい。

2017年6月16日 記

株探ニュース

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