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【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家DAIBOUCHOU:Pokemon GOの大ヒットと任天堂への影響について


以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家DAIBOUCHOU氏(ツイッター:@DAIBOUCHO )が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2016年7月14日23時に執筆

フィスコソーシャルレポーターのDAIBOUCHOUです。

Pokemon GOが世界中でヒットして、任天堂とポケモン関連株が急騰しています。日経平均も上昇し、先週末までの下落相場が嘘のように好転しています。ただ、任天堂への期待や熱気が強すぎて、肝心の収益面の裏付けが危うい印象を受けます。今回は、Pokemon GOの大ヒットによる任天堂への収益面の影響について考えたいと思います。

まず、Pokemon GOは開発元も販売元もアメリカのベンチャー企業Niantic, Inc.(ナイアンテック、以下Niantic)です。Nintendo(任天堂)と字面が似ていますが、別の会社です。任天堂が開発を外注させて、任天堂が発売元となるゲームの場合、ヒットすれば任天堂が儲かりますが、今回は開発元も販売元もNianticです。

Nianticは、グーグルからスピンオフして独立した会社です。株式会社ポケモン(任天堂が32%出資、以下ポケモン社)、任天堂は、グーグルと一緒に、NianticのシリーズA投資として3社合計3000万ドルを投資していますが、各社がいくら出資したのか、肝心の出資比率は未公開のようです。仮にシリーズA投資が3等分による平等な投資でも、シリーズA出資より前にグーグルがNiantic株の大半を抑えている可能性もあります。

Nianticは、グーグルからスピンオフして独立したとは言え、グーグルの人材、技術、情報をベースとしており、他社に主導権を渡すような出資比率をグーグルが許すとは思えません。また、ポケモン社のホームページにはNianticへの出資に関するリリースがありますが、任天堂のホームページには見当たりません。任天堂にとって、リリースに値する出資金額ではないのかもしれません。

仮にグーグルがNiantic株の過半数以上を保有している場合、グーグルの子会社が、ポケモン社や任天堂の支援を受けて、ポケモンという世界的な知名度がある版権を借りて、Pokemon GOを開発、販売したと言う事になります。

Pokemon GOの日本語ホームページによれば、開発はNianticで、株式会社ゲームフリークの増田順一氏がポケモンの世界観のために開発に参画し、任天堂はPokemon GO Plusというデバイスの開発、製造協力として参画すると書かれています。任天堂がどれだけPokemon GO自体の開発に関与しているか書かれていません。

任天堂は、Pokemon GO Plusの収益、Nianticへの出資による利益、版権利用料は得られます。ただ、ポケモンの版権も、ポケモン社を始め、様々な権利者がいるので、任天堂が独占的に得られるものではありません。

Pokemon GOの人気を生かして、SNSに昇華させたり、O2O(Online to Offline)として飲食店の集客ツールとして利用したりするのは、まさにインターネット世界の王者であるグーグルの得意技です。

Pokemon GOの大ヒットに続き、グーグルが企画力や技術力を生かしてスマホゲーム開発を推進し、今までGoogle Playの手数料収入だけでなく、スマホゲーム市場にもグーグルが攻めてくる可能性も推測出来ます。そうなると、ゲーム会社にとっては、強力なライバルが増えたという状況です。

未公開な情報も多く、私の推測が間違いかもしれません。ただ、既に株価は熱狂的に急騰しており、これから任天堂の急騰相場に挑戦する場合、以上の事をリスク要因として頭に入れておいて欲しいと思います。

私はファミコン世代なので、任天堂のゲームには思い入れがあります。任天堂が自力でPokemon GOのような画期的なスマホゲームを自力で開発して、世界的な大ヒットに育てられたら良いと思います。ポケモンだけでなく、世界的な知名度を持つキャラクターやコンテンツは豊富にあるので、それらの資産を生かして、日本発のコンテンツビジネスを世界中に発信して欲しいと思います。

執筆者名:DAIBOUCHOU(ツイッター:@DAIBOUCHO )

《TM》

 提供:フィスコ

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